womb
sex:男性
age:15
height:161cm
like:頭のいいひと
頭を撫でてもらうこと
dislike:甘ったるいもの
九頭龍 スダク(クズリュウ スダク)
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男の子が大人になれないまちで生まれたこども。少女のような顔立ち。光の加減で色がころころ変わる宝石のように綺麗な瞳をしている。
活発で健康的。少し幼い印象でいて、たまに大人びたような雰囲気も感じられる不思議な少年。五感が鋭く身体能力が高い。並外れた格闘センスを持っている。
直感的だけれど、必要であれば本人の基準で合理的な判断ができる。
人間がとても好きで、警戒心は強いものの心を許すと懐き倒す。人を比べたり偏見の目で見ることなく、誰にでも対等に接しようとする。
戦争に巻き込まれ3年間まともに睡眠をとれなかったため眠り方がよくわからない。過度なストレスがかかるとその頃の記憶がフラッシュバックする。感情が昂った時にどう対処してよいのかがわからず、鎮めるために腕に爪を立てるなどの自傷行為に走るという、精神的には不健康な面が見られる。
母親が妹を身籠った時の感動をかすかに覚えていて、自分も子供を身籠ってみたいという願望がある。
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【家族と戦争】
父親という存在についてよく知らない。周囲にもそんな存在は見たことがない。
戦争に巻き込まれて、大好きな母親と父親違いの妹が目の前で首を切り落とされてレイプされた。命からがら逃げだして、生きるために人の肉を口にした。生きたまま腹を裂かれて、内臓に小便をかけられる人。それを見てけらけらと笑う人。無理矢理連れ去られる死んだ目をした女の人たち。いろんなものを見た。そうして限界まで擦り減った心を守るために、スダクの本能が自ら心をばらばらにして新しい人格に作り変えた。ただ生き延びるのに必死だった。
新しい人格が出来上がってから間もないので中身が幼く、心の性別に関してはまだどちらでもないような状態。人が死ぬことに鈍感になっていて、家族を殺された時の感情を忘れてしまっている。本来のスダクは妹の面倒をよく見る優しいお兄ちゃんだった。
【食事】
初めて目にした性行為がレイプだったことから性に関して堕落しており、頭を潰し、屍姦を行ってから人を食べていた。屍姦はスダクにとって無理にでも死体をモノとして認識するための儀式で、テーブルマナーのようなものだった。食欲と性欲が同化しているようなところがある。
人間と関わることが好きでありながら、深刻なほどお腹がすいたらきっと躊躇なく相手を食べてしまうだろう。
【通過儀礼】
まちの女性は16歳になったら一斉に名前も知らない男の人の子供を身籠る。
通過儀礼の内容は公には開示されていない。興味本位で通過儀礼を覗きに行った友人が人の形をしていない状態で帰ってきたことがあるので、スダクは詳しく知ってはいけないこととして認識している。
スダク自身はこの通過儀礼によって生まれてはおらず、母親と父親が愛し合って生まれるという、彼の故郷では特殊な生まれ方をした。
スダクはセックスとレイプの区別がつけられない。生きている人間相手にしてはいけない行為だと思っている。それが子供を作る行為だということは施設に来てから学んだ。性の話をされるとなんだか怖くなってしまう。
【先生】
スダクの知る限りまちで唯一の男の人。いろいろなことをスダクに教えてくれた。遺書を書く授業で家族の分と別に、先生の分を用意するほどに慕っていた。
先生が見せてくれたざくろの実。聞かせてくれた天使のはなし。
その思い出は、どんなに酷い目にあっても、人格が作り替わったとしても、人間の善性を信じたいと思える根拠になっている。
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【エス】
実体のあるものでもないものでも、あらゆるものを引きつけてしまう。
他人の好意すら無意識に引き寄せてしまうので、食人や屍姦の過去について明かしたとしても周りからはあまり嫌悪感を持たれない。スダクは誰の心の中にもするりと入ってきて、特別な存在になってしまう。
少しでも生き残る確率を上げるために。彼のエスは生存欲求と強く結びついている。
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【関係性】
スダクの育ったまちでは男の人は18になると海を渡って二度と帰らない。死に関わる場所だったから、スダクの母親は自分たちをあまり海に近づけさせたがらなかった。だからこそ妹が拗ねて一人になりたい時に隠れる場所といえばいつも海だった。そんな秘密の場所だったから、海についての記憶を共有するということは親密になった証のような気がして、ユミに対しては自分の全てを共有しようとする。
自分に触れる手つきが壊れ物を扱うように丁寧なものだから、ユミに触られるとちょっとどきどきする。
ユミのことを知れば知るほどに、どうして思いやりの深い人間に限って自分のことを悪魔だなんて思い込んでしまうのか、そのことに胸を締め付けられる。自分の方が余程悪魔のような所業をなしてきたというのに。
彼の故郷では男の人は18歳までしか生きられなかったので、17歳というとすごく大人だ、と感じる。大人というだけで彼に絶対の信頼を置いている。
先生の手を思い出すからか、特に大人の男の人に頭を撫でてもらったり抱きしめてもらうことが好きなので、褒めてもらいたくて何か成果があると見せにいく。
生い立ちや自傷癖のことなど、まるで自分のことのように傷ついてくれるのが嬉しくて、同時に申し訳なくなる。この人を悲しませたくないから、おかしいところははやく治したい。
ここにいる限りお前のことは俺が守るよ、と言ってくれたウツラの言葉を全面的に信じている。
彼の心臓を身籠っている。普段と二人きりの時とで人が変わったようになることについては、そういう人間なんだなと軽く流している。過干渉に悩んできたタイトにとっては、適度な淡白さこそ楽園に求めている要素なのかもしれない。
タイトがショートスリーパーなので、眠れない夜に一緒にいることが多い。勉強を教えてもらう代わりに楽園の具現化(という名の赤ちゃんプレイ)に付き合ってあげている。気持ちさえ落ち着けてあげれば自分で考えて解決できる人だと思っているので、そういうあやし方をしている。
赤ちゃんができるしくみについては彼から教えてもらった。それを怖いと感じることを伝えるとオレも、と笑って返された。
カリンが自分に危害を加えるような人間でないことはわかりつつも、力で適わない相手なので警戒していて距離を取りたがる。純粋な好意の裏に潜む狂気に薄々勘付いている。
内心では、皆の力になりたいという一心で実際に魔法少女として多くの人の手助けをしてきたカリンのことをすごい人だな、と思っている。自分とはまるで真逆だ。
親友。無口だと思われているけれど、少なくとも自分の前では饒舌のよう。
通過儀礼が理由で誕生日が近い人間が周囲にいなかったため、それだけでかなりの親近感を覚えている。
自分よりもだいぶ体が大きいところと、自分よりもずっと考えが及ぶところから大人っぽさを感じて慕っている。ライムは気にしているようだけれど、他人に無関心であるというのは必ずしも悪いことではないのだと思う。そんなライムのことも、スダクはとても好きだから。
ライムの提案で「架空の戦争」をしている。空想のまちのつくり。戦死者リスト。ひとつひとつ緻密に想像して、安全に傷つくことのできる方法で感情を思い出す儀式を行っている。架空の戦争を行った後は過去の所業を思い出し罪の意識に苛まれるものの、きっと自分にとって必要なことなのだと思うので、付き合ってくれているライムには感謝している。
おままごとをしたり、物語を作って聞かせたり、木を削ってミニチュアの人形を作ってあげたり、よく一緒に遊んでいる。
死んだ妹の姿を重ねていて、美味しいものも楽しいことも、カバネには全部譲ってあげる。君を傷つけるものは全部おれが食べてあげる。泣きたいのなら神様にもばれないように隠していてあげる。
カバネがエスによって他人の傷を引き受けようとすることをあまり良く思っていない。できれば傷つくことなんて知らないまま、穏やかに生きてほしい。
ルフの存在を信じていて普通に挨拶などする。ときどきルフを預けられる。撫でていると落ち着くから好き。
先生が話してくれた天使を彷彿とさせる。スダクの生まれたところでは魂は海に還ると考えられていたので、天から来た存在というのは全くの未知の生き物で、とても神聖な感じがしている。一目惚れに近い。
天使の内臓はどんな味がするのか、お腹よりも精神的に満たされるような気がして気になっている。ウガツを見かけると嬉々として追い回す。
それでいて、かよわくて痛いことが嫌いなウガツのことを守ってあげたいという相反する思いも抱いている。綺麗で可愛いから食べたいし、守ってあげたい。
ウガツが物知りなので、なにかと話を聞きたがる。聡明な彼のことをとても尊敬している。
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「ん!呼んだか?」
「よしよし、怖かったな」
「兄ちゃんはおまえさえ幸せなら、それで」
「おれは馬鹿だから、いつだって手遅れになって気が付くんだ」
「ずっと生き延びることだけを考えてきたのに。自由になった今になって死にたいって気持ちが少しだけ理解できる気がするんだ。なんでだろうな」