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六月一日 来夢(ウリハリ ライム)

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フェミニンで儚げな雰囲気の、常にパジャマ姿の男の子。たまに眠ったまま施設内を徘徊している。

できたてのお菓子を思わせる甘い香りを漂わせている。

体が弱くよく咳をしている。動きが緩慢。寡黙で何を考えているのかが読めない。

穏やかな性格をしているものの、変なところでこだわりが強かったり、逆に無頓着だったりと行動が気まま争いごとが苦手で、常に傍観者であろうとする。他人に自分の中の規律を乱されたところで怒りの感情を露にすることはない。自分にとって余程大事なことでなければ他人の意見の方を尊重する。

妹のカリンとは「ふたりでひとりの魔法少女」。妹を魔法少女に変身させる力は彼の方にある。

体が不自由なので、着替えや食事など、カリンに生活面で依存している。

自分自身にしか恋愛感情を抱けない。他人に無関心であるが故に不気味なほど親切。器が大きいというより器の底が抜けている。他人の事情に寄り添い、全て自分に否があるような言い方をしながら、言葉だけでそんなことは微塵も思っていないし自分を変える気なんて更々ない。

悪夢の中に聖域を見出している。

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【幼少期】

幼少の頃からずっとひどいいじめを受けていた。塩胡椒を振られた手をストーブに押し付けられ、注射器で体内に尿を注入され、それでも他人に興味が持てなかったので、いじめっ子の顔もよく覚えていない。

彼にとって虐げられることは何もしなくても存在を許されることである上に、被害者でいることができるため、その環境に甘んじてしまった彼はひどく無気力である。

基本的に何もしたくなく、生まれる前に戻りたいと思っている。

【少女性】

ライムの魔法少女観は明るくない。魔法少女、というからには何かしらの少女性を代償にその力を得ているはずだと考えていて、例えば子供を産めない体で本物の赤ん坊を抱いているように人形をあやしたり、中身の死んだ卵をそうとは知らずに大事に温めたり、中に誰も入っていないお腹をさすったり、赤ちゃんのミルクのために体を売ったり、ライムにとっての「少女性を犠牲にする」とはそんなことを指している。

カリンの場合は卵子を消費することで、ライムの場合は夢に出てくる少女が凌辱されることで魔法少女としての力を得ている。

【夢】

顔のない人たち。ショッピングモール。怪物に凌辱される少女。

包丁のステッキで自分の分身を殺害したりされたりして、生き残った自分として生まれ直す夢をみる。

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現実からの逃避先。ライムしか知り得ない聖域。

​【自己愛】

ライムは他人のことを自分を害するものだと思い込んでいる。心の底では人の優しさを求めているのに、他人が優しいことを認めてしまうと誰よりも親切であるという前提で成り立っていた自身の正当性が破綻してしまうため、そう思い込むことで他人を拒絶している。自分だけが味方だという状況を自ら作り出して、僕だけは僕を愛しているよと甘い言葉を掛け続けることで自分にしか恋愛感情を抱けないように自身を洗脳した。綺麗な自分、汚い他人という構図を守ることがライムの行動原理である。自分を可哀想にするためにわざと虐げられようとする。そうして苦しむ自分の姿を俯瞰で見ては多幸感を得ている。ライムが自分に向ける愛情は憎悪に近いほどに歪んでいる。

ライムはそんな自分に虚しさを感じることがあって、孤独を解消するためのシステムが夢の少女だった。

転んだ時に手を差し伸べること。悲しみに優しく寄り添おうとすること。したことのある、見かけたことのある親切を継ぎ合わせて、自分が思うありったけの善人像を穢れの無い少女に詰め込んで、信仰し、聖域に閉じ込めることで自分を慰めようとした。でもそれだって結局のところ少女の皮を被った自分自身だということがライムにはわかっている。

だからライムは自分しか愛せないのだという。

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​【エスについて】

自分に近しい人間を魔法少女にしてしまう。衣装や演出にはライムの嗜好や健康状態が色濃く反映される。​契約のしかたは一緒に羊を数えること。

ライムの誕生日の夜にカリンとふたりで天の川にお願いごとをするのが恒例になっていて、自分よりも誰かの幸福を願う妹のことがとても愛しくて、ライムは叶えられる範囲でそれを叶えてきた。

​彼のエスはその延長にある。

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【関係性】

ユミ

妹と仲良くしてくれている人。他人に誠実な人なので、ライムも相応の態度で接しなければならないと思っている。そうでないと正しさを保っていられないから。

心の海辺の話を聞いて、イラストに起こすことでユミの中の怪物を可視化した。

ウツラ

ガラスの子宮という少女性を獲得した男の人。​

男の人の中に子宮がある、ということ自体がライムにとっては体を犠牲にしているのと同意であって、ライムの基準からするとウツラは魔法少女だった。

彼の生まれ変わりたい、という気持ちに共感している。

タイト

おそらく同族嫌悪で自分のことを嫌っているところがかわいいねと思っていて、故に自分ととても性質の近い人間ではないかと思っている。存在が嘘で塗り固められているところだとか。それでいて嘘を吐くことに全く罪悪感のないところが気に入らないのかもしれない。彼について考えるのは楽しい。冷たい視線を向けられる度に、弱い部分が垣間見える度にたまらなく高揚する。

自分の像を通して彼が憎んでいるものの正体に興味があるので、もっと感情を曝け出してほしいしいじめられたい。彼が生涯隠し通そうとしているものをうっかり暴いてしまいたい。僕の自己理解を深めるために。

カリン

両親ですら嫌な顔をしたような自分のこだわりに楽しそうに付き合ってくれて、不自由な自分のお世話を甲斐甲斐しく焼いてくれる、可愛くて優しくて自分には勿体ない妹。女性であるもうひとりの自分。それはもう溺愛している。

ライムは自分を正当化する術に長けているけれど、カリンを泣かせることに関しては何の弁明の余地もないと思っている。彼女を悲しませることの全てを取り払う使命を負っている。なので深刻ないじめに関しては必死で隠し通してきた。

​カバネ

小さなお友達。カバネが自分に理想を抱いていることを知っていて、そんな綺麗な人間じゃないと思いつつも、一応魔法少女としての矜持もあるのでなるべくその理想を壊さないように振る舞っている。

もしカバネが魔法少女になったら、を考える遊びをしていて、心臓の血で染めた武器を強化する魔法少女が出来上がったので、絶対に契約するわけにはいかないなと思っている。

ウガツ

まるで絵画の中にいるような男の子。

ライムにとって枠の中に収まっているというのはとても安心することで、絵画を鑑賞するように穏やかな気持ちで接することができている。

​彼の美しさの定義に自分と似たものを感じて興味を持っている。

スダク

夢の少女と同じ顔をした男の子。夢の少女が彼の顔をしているといった方が正しいかもしれない。朱みがかった髪と翡翠の瞳に、異国の少女のイメージを強く感じている。

ライムにとって初めて真っ当に向き合うことを余儀なくされた他者でありながら、最初からライムの聖域の内側に踏み込んでいる神聖な存在。自分なんかが触れて良いような存在ではないし、友達を名乗ることすら烏滸がましいと思っている。彼がそう望むのなら別だけれど。

スダクの胃袋を巻き戻すための子宮だと思っていて、彼に食べられて、胃の中で溶かされて、徐々に小さくなって生まれる前に還りたいと考えている。

一緒に羊を数えて眠ったことがあるので彼を魔法少女にすることはできるはずだけれど、スダクを不可侵な存在だと思っているので、今のところそうなる気配はない。

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「けほ…ごめん、今日はあまり調子が良くなくて」

「怒るってことはそれだけ本気になってくれているってことだよね。大丈夫、僕はわかっているから」

「(面倒だから関わらないでくれないかなあ…)」

皆が自分を虐げる中、僕だけは何があっても君の味方でいるよと声を掛け続けてくれる人間がいたら、それがたとえ自分の姿をしていたって好きになりもするさ

「少女でなければならないのはきっと、年頃の娘が騙くらかしやすいからだ。カリンちゃんだって僕に騙されて魔法少女をしているのだから」

sex:男

age:15

height:183cm

 
like:メ
ロンパン,アップルパイ,
  寝ること,深夜の散歩

 
dislike:自分より可哀想な人,
​   本当の意味で優しい人

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