womb
sex:男性
age:9
height:132cm
like:絵を描くこと
dislike:汚いもの,痛いこと,時計の音
-----------------------------
天使のような容姿の男の子。実際に天使みたい、と言うと怪訝な顔をする。
屈折していてプライドが高く、頑なで警戒心が強い。潔癖症で神経質で処女厨。
人道にもとらないことに美しさを見出している。性欲を汚いものだと考えて忌避している。いろいろと気難しい性格。
冷静なようでいて割と情に流される。他人から向けられる愛は拒絶するくせに、自分が向ける愛はとても重くて面倒くさい。ある程度打ち解けた相手に対しては意外と面倒見の良いタイプ。
何も知らない子供は大人に騙され食べられてしまうという考えから、知的探求心が強い。物知りで賢明だけれど、運動はからっきしダメ。
ストレスに弱くプレッシャーをかけられると嘔吐いてしまう。
食べ物を死体としてしか見られず、味のあるものを受け付けない。あまりものを食べた経験がないので、食事自体がとてもへたっぴ。
自分の面倒な性質を無理矢理矯正しようとする両親のことを嫌悪していて、名乗りたくないので苗字を伏せている。
-----------------------------
【天使】
ウガツの育ての母親は産みの母親ではない。生まれてくるはずだった6人の兄姉がいたが、みんなお腹の中で死んで天使になった。ウガツだけが別の子宮に隠れていたから助かってしまった。
別に自分の生まれを憎く思っているわけではない。ただようやく授かった子供だからと神経質になり完璧を押し付ける両親が、兄姉を差し置いて自分だけ生まれてきてしまったことによる重圧がウガツには耐えかねた。
自分は天使なんかじゃなくて、自分の側にいつもついている兄姉たちの羽が自分をそう飾り立てているだけだ、と思っている。
辛い思いをした時、ウガツは自分の代わりに自殺をする天使の姿を想像する。
【叔父】
画家であり、手を組んだ身籠る天使の絵をよく描いている。親類からは変人扱いだったため、両親もこんな風にはなるなと陰でウガツに言い聞かせていた。元々感性が合っていたことと、両親への反抗心もあってウガツは叔父にはそれなりに懐いていて、ヌードモデルになるという名目で匿ってもらうようになった。
叔父にとってウガツは、コンプレックスを抱いている兄と初恋の人の子供という存在だったので、かなり複雑な心境だったらしい。実際にウガツをヌードモデルにすることはなかったけれど、デスケルを翳した向こうに自分にとって理想の容姿をした少年が見えるようになったものだから、ウガツは叔父にとっての「額縁の中の天使」になった。
彼に教わっていたので、ウガツは絵が上手い。施設に来てからは気まぐれに皆の肖像画を描いたりしている。
【食事】
物心がついた時からウガツは常にお腹を空かせている。給食が一口も食べられなかった。食べ物が死体にしか思えない。どんな料理もおいしいと感じることがない。昔から食品売り場に並ぶ肉や魚を見るのが怖かった。味のないものを無理やり飲み込んで辛うじて生きている。
食べるという命を奪う行為にどうしようもない拒絶反応を示しながら、何も奪わずに生きていくことはできないということをウガツも理解はしていて、だから過保護とはいえ大事に思われて育てられてきたことも、天使たちが自分の穢れを背負って死ぬことも、何も汚れていないように見える自分自身が本当は一番汚い人間だということも薄々わかっている。
それがたまらなく嫌だった。痛いのも苦しいのも怖いから仕方なく生きているだけ。
【性】
処女厨とはいっても、本人は精通もまだなので性知識については浅い部分がある。
性行為に嫌悪感を覚えるのは、それが大人が隠したがっているものとして、嘘と汚らわしさの象徴として認識されているからだ。普段はさも天使のように高尚な生き物であるかのように振る舞い、自分の考えを間違っていると決めつけて偉そうなことを言いながら、獣のように快楽の虜になる姿を必死に隠そうとしているところが気持ち悪い。嘘を吐くなと言いながら自分の吐く嘘は正当化する。命の価値は同じだと言いながら犬猫は愛でて虫を殺す。その矛盾が気持ち悪かった。完璧を求められたから、完璧じゃない親を見限る。それって間違っていること?
-----------------------------
【エスについて】
手を組んで強く祈ったことが本当になってしまう。
エスによる体への負担が大きく、症状が重くなった時には高熱が出たり、吐き気やめまいに襲われる。
本人とエスの相性がよくないのか、今のところ大それた願いは叶えられないものの、いつかこの病が原因で人を傷つけてしまうのではないかと恐れている。それもあって、ウガツは人と積極的に関わることを避け閉じ籠っていた。
-----------------------------
【関係性】
とても真摯で好印象。自分を汚い存在だとみなして進んで汚れ役を買って出る覚悟を気に入っているので、態度が柔らかい。
他人のために自らの手を汚し、それに何の見返りも求めない人間こそが真に美しいひとなのだと、ウガツは信じてやまない。気高く誇り高いユミをウガツはどうにも穢れた存在だとは思えない。
自分の正義を自分の責任で貫く潔さに憧れている。
信用できる人だと思うけれど、見た目から小動物扱いをされるのがなんだか微妙な気持ちになる。それはそれとして人間として対等に見てくれているのがわかるので然程抵抗はしない。
ウツラの過去についてちょっと聞いたことがある。ウツラは自分の体を汚れていると言うけれど、父親にレイプされていた彼を汚いとは自分には全く思えない。
大人になりたい、という彼の想いを尊重したい。別にウガツは大人がみんな憎いわけじゃない、嫌いなのはむしろ、図体だけがでかい子供なんだから。
うるさい。うざ絡みしてくるのが鬱陶しい。人格破綻者。
教養を理解した上であえて不躾なふるまいをしているような変なやつ。両親によって人生を滅茶苦茶にされた、ということがわかるので同情している。
お互いに頭が回るからか意外と話が噛み合う。
…別に?仲良くはないけど?
お節介なやつ。両親とは違って、カリンのような相手のことを真に思っての行動を無下にするのは本意ではないからと、文句を言いつつも何だかんだで受け入れている。本人には言わないけれど、その気配りには感謝をしているらしい。かりんが挫けそうになった際には真っ先に力になろうとするなど、彼女のことを特別気にかけている。
カリンも案外頑固なので、ウガツの方が折れることもしばしば。ウガツは愛を、相手のためにどれだけ自分を曲げられるかだと思っている。だとすればウガツは相当にカリンのことを好いている。なるべく味のないものを、と思案してくれているのを知っているので、カリンが作ってくれた料理なら調子が良ければ食べてみてあげる。
自分はカリンのことをぞんざいに扱っているくせに、他人がカリンのことを雑に扱うと露骨に嫌な顔をする。
騒々しくなく、それでいて何か話さないと気まずいなという空気が漂わないので一緒にいて心地が良い…のだけれど、何を考えているかわからないところはちょっと怖い。カリンは自分と正反対の兄だというけれど、肝心なところは似ているなと感じている。柔和なようで案外融通の利かないところだとか。
人道を尽くすこと。少女性の喪失。言葉は違えど美しさの基準は「献身」の点で似通っていて、美しいと感じるものは一致することが多い。
ライムの描く絵や世界観に興味がある。
とっても仲良しの女の子。カバネのボディガードと化している。
生殖器も姓ももたず、どれだけ虐げられても分け隔てなく優しさを向けることのできる彼女をとてもきれいな存在とみなしている。その思いは信仰に近い。
カバネをあらゆる理不尽なことから守ってあげたいと思うけれど、行き過ぎると自分の両親のように彼女を縛りつけてしまうかもしれないということに葛藤しており、そのことから自分を縛り付けようとする両親の教育が彼らにとっての愛情によるものであったということを嫌でも感じさせられて、勝手に悪いことをしているような気分になり、勝手に嫌な気持ちになっている。
まるで草食動物と肉食動物のよう。近づかれると本能が警鐘を鳴らす。その反面自分を守ろうとしてくるところが兄姉を思わせて、彼に肯定されることで生まれてこられなかった兄姉に許されたような気持ちになる。食において人間とそれ以外を等しく扱い、性的なものを怖がり、親を憎悪する気持ちを理解してくれようとするスダクは、ウガツの基準で美しい人間だった。ウガツはスダクの性別を意識していない。
危害を加えられないとわかってからはある程度のスキンシップを許している。不満そうにしつつも世話を焼く様子はさながら保護者のよう。近づかれると逃げたがるくせに、放っておかれると君は僕のことが好きなんだろ、とむっとする。色々とこじらせている。
スダクは何もなくなってしまったと思っているようだけれど、鉛筆で一度引いた線を消したって全くの白紙には戻らないように、かつての彼の筆跡はきっとスダクの中に残っているんじゃないかと考えている。
-----------------------------
「…何?用が済んだならあっちへ行って」
「バカじゃないの……ああもう、貸してみなよ」
「別に…僕の在り方に口出しをしないならこっちも文句なんてないけど」
「僕は天使なんかじゃないのに」
「何も奪わずに生きていくことなんてできないよ、もしそんなことができたなら、それは、君のために誰かが代わりに手を汚しているということだ」
███ 羽月(--- ウガツ)